RPAを内製化したほうがいいのか、外注した方がいいのか、どっちなんだろう?RPAを内製化したメリットを明確に理解しておきたい。ついでにデメリットもわかれば、メリデメを比較して判断できるかもしれない。
こういった悩みに答えます。
この記事の対象読者は、中小企業でRPA推進を担当する一人情シスの人です。
- 開発コストが限られている
- IT部門の人不足
上記のような厳しい状況でも、RPAを推進していこうという人のために参考になるように、書きます。
RPAは内製化すべきです
以前、このようなツイートをしました。
このツイートを深堀することで、RPAを内製化するべき理由を解説していきます。
RPA内製化するべき理由
RPAは常に変わるものを扱う分野です。
- 業務を自動化する
- デスクトップを自動化する
これらは、常に変わるのが当たり前ですよね?
常に変わるから、通常のシステムとは違って外注できない、というのがRPAを内製化する理由です。
通常のシステムはどうなのか?
RPA独特の分野をより深く理解するために、通常の「システム開発」と呼ばれるものについて解説しますね。
通常のシステム開発は、
- 特定の処理のみを自動化する
- 自動化のメインは、サーバーサイド
というもの。
コントロールできない変動要因を最小限にとどめるのがシステム開発の鉄則です。
僕は、昔、システムの受託開発をやっていたからわかりますが、システム開発を受託する場合は、変動要因に対する責任範囲を細かく取り決めるのが通常です。
たとえば、
- OSどこまで保証するのか?
- ブラウザーは、どこまで保証するのか?
など、システム動作を保証する環境を細かく設定します。
不具合が発生したときの保証範囲が変わるので、重要です。
昔、僕が担当した受託案件では、「Windowsアップデートがあった場合どうするか?」まで詰められました。正直、どんなアップデートがあるか予想つかないので、「しらんがな」という気持ちでした(笑)
ともかく、変化があると不具合が発生する可能性があるので、変化を嫌がるのがシステム開発です。
システム開発にとって、変化は天敵……
何かが変化すると、何からの不具合が発生するものです。そして、それは予測できないことが多いのです。
何度も経験するうちに、プログラマーの脳には次の数式が出来上がります。
変化=不具合発生
RPAはシステム開発者としては悪夢
では、RPAはどうでしょうか?
そう、変化だらけです。
- OS、ブラウザーなどの環境がどんどん変わる
- 自動化対象のアプリケーションは、勝手に改修される
- 業務自体がどんどん変わる
正直、システム開発者としては、「最悪の状況」です。
悪夢といっていいでしょう。
RPAが最近まで流行らなかったのは、「手を出そうというエンジニアがいなかったから」です。
2017年頃から、人手不足、働き方改革、といったことが大々的に話題になってきたから、仕方なくエンジニアの一部も巻き込まれた、というのが実情ではないでしょうか。
僕は2016年からRPAツール(その当時はRPAという言葉は知られておらず、僕も知らなかった)を触っていましたが、それで業務自動化を始めるときは3カ月くらい悩みました。
RPAを始めてしまえば、永遠にメンテナンスを続けないといけない未来がわかりきっていたから。
最後は覚悟を決めて、RPAの世界に飛び込みましたが……
そういうものです。
だから、RPAは内製化するしかない
つまり、「システム開発と同じように、外部業者に作らせればいいや」というのは、完全に間違い。
真逆です。
- OS、ブラウザーなどの環境がどんどん変わる
- 自動化対象のアプリケーションは、勝手に改修される
- 業務自体がどんどん変わる
そのたびに外部業者に頼んでたら仕事は進まない。
お金もかかります。
開発もメンテナンスも内製化できるようにならないと、成り立たないのが、RPAです。
外部業者だって手を出せないのがRPA
加えて言うと、外部業者だって手を出せない部分が多いのが、RPAです。
たとえば、経理システムなど、重要なシステムの自動化。
通常、経理システムや人事システムなどは、会社の重要な情報が入っているから、特定のパソコンにしかインストールされていません。
当然、「外注業者のパソコンに経理システムをインストールして、RPAの開発をしてもらう」なんてことはできません。
「じゃあ、リモートで外部から開発してもらおう!」
これは可能です。
でも、外部のエンジニアは、あなたの会社の経理情報に間違いを起こしたら責任とれないから、触りたくありません。できるのは、あなたがRPAツールを使って経理システムを操作するのを手助けすることだけです。
なかなか、ここまでやる外部業者は少ないでしょう。RPAのノウハウも必要ですし、エンジニアの人件費がかかるわりに、高額な金額を請求することはできないですから。
このように、お互いにデメリットが多いのが、RPAの外注です。
RPA内製化のデメリット
RPAの内製化するデメリットについても、触れておきましょう。
責任を負わないといけない
RPAを内製化するデメリットは「責任を負わないといけない」ってことです。
なにか不具合があった場合に、外部業者のせいにすることができません。外部業者に電話をかけて、「止まってるから、なるはやで対応して!」といった対応もできません。
自分で不具合の原因を調べて、不具合を直して、修正バージョンをリリースして、再実行するわけです。
業務責任が移動する
あなたが実務者ではなく、社内のRPA化を担当するエンジニアだった場合、業務責任も移動してきているでしょう。
元々、経理部の業務だったり、営業部の業務であったものが、あなたが自動化することによって、「自動化がとまると、あなたの責任」という雰囲気になります。
だから、
- 自動化する前に、止まったときにどうするかを実務者とよく話し合っておく
- 止まりにくい自動化を構築する
が大事になります。
まとめ
というわけで、RPA内製化のメリットとデメリットについて、詳しく解説してきました。
メリットというより、「RPAは内製化しないとどうしようもない」ということです。デメリットもあるけど、何とかクリアしないとダメ……。
この記事で解説したように、外部業者に開発を外注するのは困難ですが、外部の専門家からアドバイスをもらって、内製化するのはアリです。とてもメリットがあります。
外部の専門家は、豊富な経験がありますから、
- RPA内製化の気を付けるべきポイントを教えてくれる
- 止まりにくい自動化のためのアドバイスをくれる
- 一人でくじけそうなとき、味方になってくれる
僕も「こさナビ」というオンラインRPAコンサルを行っているので、内製化に悩んでいるならお問い合わせください。
ミーティングするだけなら無料なので、「聞くだけ聞いてみる」というスタンスで、お気軽にどうぞ♪