やりたきゃ、さっさとやれ、という話

僕が仕事を始めたのは25歳のとき。
今でいうSES(システムエンジニアリングサービス)の会社だった。
簡単に言うとエンジニアを常駐派遣させる会社。

なぜSESに入ったのか?を少し話そう。
これから就職する人もいるだろうし。

別に参考にする必要もないし、25年くらい前の大昔の話なんで
今とはかなり状況は違うけどね。

僕は大学ではデザイン工学を学んでいて大学院まで行った。
特に目標はなかった。
絵を描いたり、作品を作ったりすること自体が好きだったんだな。
そういうことを続けていけたらなぁ、くらいに思っていた。

そもそも、「サラリーマンとして働く」という気がサラサラなかったんだ。
大企業に入って、毎月しっかり稼いで、家庭を築いて、家を買って、退職金を得て…みたいな
ビジョンはまるでなかった。

そういう意味がよくわからなかった。
それでは、なんのために生きているのかが理解できなかった。
生きるために生きて何がイイのだろう?みたいな。

だから、画家とか起業家とか、なんかそういう「何かを作る人」になるもんだと妄想してた。
今もあまり変わってなくって周りに引かれることがあるが、
現実を見ないヤバい奴、いるでしょ。
僕がそれです…。

家庭環境の影響もあるだろう。
医者の家系でサラリーマンの大人を見る機会がほとんどなかった。
かといって「医者になれ!」と言われたこともなかった。

ともかく、中二病みたいな若者が大学院修了後、
就職せずにニューヨークの大学に通っている友人の家に遊びに行った。
そこでパソコンとインターネットに触れて、興味が再燃したんだ。
プログラミングは中学のときにやってたから、久しぶりに興奮した。

アメリカでは定額でネットにつなぎ放題(電話回線)だった。
日本ではプロバイダーに電話回線でつないで、普通の電話料金がかかってたはず。
そもそも、インターネットを使う人も少なかったしね。

ITの浸透度も日本より10年は進んでいたかもしれない。
当時使っていたOSはWindows98。
まだまだいじるところがたくさんあって、壊しても再インストールすればいい、という感じ。

ニューヨークの近くのニュージャージーの友人の家に居候してたんだけど
後半はほとんど外に出ないでパソコンばっかりいじってたな。
何か開発するとかじゃなくて、Windowsのメモリを空けるツールを入れたり、設定ファイルをいじったり、
ファイル管理ツールを使いやすくカスタマイズしたり、、
フリーソフトをCD-ROMで配布している雑誌を買ってきて、フリーソフトを色々入れて楽しんだり。
そういうことばっかり、1日中やってた。

その熱量のまま、日本に帰ってきて、速攻IT関係で働こう!と考えたね。

国立大学の大学院を修了していたので、もしかしたら大きめの企業にも入れたかもしれない。
でも、新卒の時期は過ぎてるし、大学にいるときに就職活動というものをしたこともない。

同級生はパナソニック、東芝とかシャープとかの一流企業に就職した人も多いし、
ゼミの先輩は日本IBMにいたんだけど、そういうのはムリ、、というか考えたこともなかった。

大企業=スゴイ、という考えもなかったんだ。
仕事というのは、自分が実力を付けて1人でやるもんだというイメージしかなかった。
マンガの主人公みたいに、段々力をつけていって、活躍するイメージ。
「幼稚」と言われるとそうだけど、大きな組織の一員になっている自分、というのが理解できないんだ。

というわけで、地元の福岡で開かれた企業説明会場に足を運んだ。
日本に帰ってきて、2週間後くらいかな。
たぶん、職安(ハローワーク)かどこかでパンプレットをもらったんじゃないかな。

当日、大きな体育館みたいな会場に行って、多くの人に混じって、
IT企業と名乗っている会社の説明を何社か受けた。

どうやって受かったのか覚えていないんだけど、
数週間後には1社から「内定です」という電話を受けた。

SESはどんどん人を入れて、現場に派遣する会社だから、正直誰でも受かったんだ。
今は知らないよ。
当時は技術者が少なかったからなのか、かなりアバウトだった。

僕もどんな会社かも知らないけど、何千人も技術者がいて、いろんな会社に行って働くんだ、くらいの知識。
こちらとしてもなんにもできないわけだから、ともかくプログラミングとかできるんだったら、なんでもOK。
プログラムは中学生の時にかじっていたから、できるだろうな、という感じ。

いちおう、新卒扱いで来年の4月入社って言われたから、時間がある。
入社するまでに「VBAで作る販売管理システム」を買って、1本のソフトを全部作った。
基本情報処理の勉強もした。

そんな感じで、25歳にして初めて社会人になったんだ。
か・な・り・適当だろ?

「働くということは、どんな無茶をしても力を付けることだ、
お金をもらいながら、それができるんだから、どこでもいいし、何でもやる。」
それくらいの発想なんだ。

そんなもんじゃないかな。
大学の同級生は東芝とかシャープとかに行ったけど、実質つぶれてるだろ?
まだ会社はあるから、立派に財産築いてると思うけど、あんな大企業だってつぶれるんだよね。
わからないもんだよ。
一生安泰とか安全とか、そもそもないんだよ。

だったら、自分に力を付けたほうがいいよね?
財産ゼロになっても、ゼロから稼げる力をつける方が、1億円貯めるよりいい、というのが
当時からの僕の発想。

大組織の一部として働いていたら、その力がつかないんじゃないか、
じじいになったときに切られたらお終いやん?という考え。

そんなこんなで、今も1人社長としてやっていっているんだ。
その始まりは25年前の就職のときから始まっている、というわけ。

20代そこそこで、老後までにらんで、大企業に就職したり、公務員になったりする人は
本当にすごいな、と思うよ。
その発想、まったくなかったもんな。

たぶん、みんなフラット35でローン組んで、立派な家を建てたり、
投資して何千万もの老後資金を貯めているんだろうな。

僕には何にもない。
家のローンを組むこともできないだろう。サラリーマンじゃないからね。

そして、もちろんローンを組む気もない。
金利がずっと安定しているなんてはずもないし、
投資もする気がない。不動産なんて一番の投資でしょ。
素人が勝てる場所じゃない、という頭の構造なんだ。

まとまりがない記事なんだけど、若い人は真面目になりすぎなくても、なんとか生きていけるかも。
少なくとも50歳くらいまでは、ね、という話。

ちゃんとしたい人は、若いうちから大企業とか入って、資産形成してください。
でも、そういうことが向いていない人は、僕みたいな生き方もなくはないよ。

それから、最後に…。
「プログラマーに転職したいんだけど、学校とか行かないとダメ?1人で勉強しているけど続きません」みたいな人いるみたいだけど(SNSとかでたまに見る)、、

ほんとはやる気ないでしょ?
と思うね。

なりたけりゃ、今すぐできる方法でなればいいんだよ。
「派遣は嫌だ、SESは嫌だ、自社開発がいい、Web系がいい」とか考えてるんだろ?
実績もない奴をプログラマーとして雇って、育ててくれるような会社なんてないんだよ。

当たり前だろ?
「ボクシングやったことないんだけど、プロとしてリングに上がりたいんです。」
…ムリ。
それといっしょ。

幸いボクシングと違って、会社は素人にもお金を払ってくれる。
そのチャンスを活かして、プログラム組めないのに、現場に押し込んで、たたきあげてくれる会社に行くしかないんじゃないの?

普通のDBを使ったプログラムも組めないのに、もっともっと難しいWeb系のアプリケーション開発なんてできないの。

プログラミング学校なんていってもダメなんじゃない?
そんな人をとりたい会社があるかね?
だって、発想がありきたりで他力本願すぎるでしょ。
そういう人にクリエイティブな開発ができるだろうか?

ま、そういう例もあるのかもしれないけど、関わったことがないので
知らないことに触れないようにしておこうか。

今働いているなら、自社向けのアプリケーションを勝手に開発して、
社内でバンバン使ってもらえばいいしね。
その実績をアピールして、転職してもいいでしょ。

ま、悩む意味がよくわからない。
やりたけりゃ、今すぐやれる方法でやればいい。では。

コメント ログインすると書き込めます