データの型【PAD×Excelベストプラクティス】

Power Automate for desktop(PAD)を活用してExcel業務を自動化する際、データの型を統一することは非常に重要です。異なるデータ型が混在していると、PADでのデータ取得や処理が不安定になり、エラーの原因になります。本記事では、PADと相性の良いデータの型のベストプラクティスを解説し、実務での適用方法を紹介します。

1. 自動化しやすいデータの型

1-1. 列ごとにデータ型を統一する

概要:Excelの各列に対して、数値・日付・テキストなどのデータ型を明確に定め、一貫したデータ形式を保つ。

ポイント

  • 数値列には数値のみを入力する(記号や単位を入れない)
  • 日付は「yyyy/mm/dd」など統一された形式を使用する
  • テキスト列には不要なスペースや改行を含めない

PADでの活用

  • データ取得の精度が向上し、不要なエラーを防げる
  • 形式が統一されることで、検索やフィルター処理がスムーズになる

1-2. 数値データの適切な管理

概要:数値データは、計算や比較処理を正確に行うために、適切なフォーマットで管理する。

ポイント

  • 数値データは「セルの書式設定」で数値に統一する
  • 桁区切りのカンマ(,)を使用しない(「10,000」ではなく「10000」とする)
  • 負の値は「-100」と記載し、記号を統一する

PADでの活用

  • 数値データの計算処理が正しく動作する
  • 不要なカンマが誤作動を引き起こすリスクを軽減

1-3. 日付データの標準化

概要:日付のフォーマットが統一されていないと、データの解析や並び替えが困難になる。

ポイント

  • 「yyyy/mm/dd」または「yyyy-mm-dd」のフォーマットを使用する
  • セルの書式設定で「日付」として管理する(テキストとして入力しない)
  • 日付の区切り記号を統一する(「2024/02/15」と「2024-02-15」を混在させない)

PADでの活用

  • 日付データを正しく取得・比較できる
  • 一貫したフォーマットでの検索や抽出が容易になる

1-4. テキストデータの管理

概要:不要なスペースや改行が含まれると、データの解析や検索が困難になるため、テキストデータを整理する。

ポイント

  • 不要なスペースや改行を削除する
  • 全角・半角の混在を避ける
  • データの正規化(例:「株式会社」→「(株)」の統一)を行う

PADでの活用

  • 一貫性のあるデータで検索・抽出の精度が向上する
  • 余計なスペースがないことで、条件一致のエラーを防ぐ

2. 自動化しにくいデータの型

2-1. 型が混在している

  • 数値とテキストが同じ列に存在すると、PADが適切に処理できない
  • フォーマットが異なるデータが含まれていると、並び替えや検索が正しく機能しない

2-2. 文字列として保存された数値

  • Excelで数値が「文字列」として保存されていると、計算ができなくなる
  • PADで数値を読み取る際に、意図しない処理結果が発生する

2-3. 統一されていない日付フォーマット

  • 「2024/02/15」と「02-15-2024」が混在していると、正しくデータを処理できない
  • テキスト形式で保存されている日付は、並び替えや比較処理が困難になる

2-4. セル内に改行や余計なスペースが含まれている

  • 目視では同じデータに見えても、検索時に一致しない
  • PADがデータを取得する際に、不要なスペースや改行が誤動作を引き起こす

4. まとめ

Power Automate for desktop(PAD)を活用したExcel業務の自動化を成功させるには、データの型を統一することが重要です。
「列ごとに型を統一する」「数値・日付・テキストのフォーマットを明確にする」「余計なスペースや改行を削除する」 などのベストプラクティスを実践することで、PADによる処理の精度を向上させることができます。
まずは、現在のExcelデータの型を見直し、自動化に適したデータ構造を整えましょう。