データの表記【PAD×Excelベストプラクティス】

Power Automate for desktop(PAD)を活用してExcel業務を自動化する際、データの表記が統一されていることが重要です。表記の揺れがあると、PADの処理が不安定になり、意図しないデータ取得やエラーの原因になります。本記事では、PADと相性の良いデータ表記のベストプラクティスを解説し、実務での適用方法を紹介します。

1. 自動化しやすいデータの表記

1-1. 数値データに単位を含めない

数値データには単位を含めず、別の列に単位を管理することが望ましい。例えば、「100円」ではなく「100」とし、別列に「円」と記載することで、数値データとして処理が可能になる。Excelの計算やPADのデータ処理がスムーズに行えるようになるため、金額や数量のデータではこの方法を採用するのが理想的。

1-2. 日付のフォーマットを統一する

日付データは、「yyyy/mm/dd」または「yyyy-mm-dd」の形式に統一し、テキストではなく日付型として管理することが重要。Excelの「セルの書式設定」を活用し、一貫したフォーマットを適用することで、PADのデータ取得やフィルター処理がスムーズになる。

1-3. データの桁区切りを統一する

数値データの桁区切りは、フォーマット設定を適用し、セル内にカンマ(,)を直接入力しないことが推奨される。「10,000」と入力すると、PADがテキストデータとして認識することがあるため、「10000」のように統一し、Excelの数値フォーマットで桁区切りを適用するのがベスト。

1-4. 全角・半角を統一する

全角と半角が混在すると、PADの処理が不安定になり、検索やデータ抽出の精度が低下する。特に、商品コードや顧客IDなどのデータは、Excelの ASC または JIS 関数を利用して変換し、一貫性を持たせることが望ましい。

1-5. カタカナ・ひらがなの表記を統一する

氏名や商品名などのデータは、カタカナとひらがなが混在しないよう統一することが重要。例えば、「カタカナ」と「かたかな」が混在すると検索やフィルターの精度が低下するため、統一した表記ルールを適用するのが理想的。

1-6. 文字列の余計なスペースを削除する

セル内のデータに余分なスペースが含まれていると、PADでのデータ検索時に一致しない問題が発生する。Excelの TRIM 関数を活用し、先頭や末尾の余計なスペースを削除することで、データの正確性を向上させることができる。

2. 自動化しにくいデータの表記

2-1. 数値に単位を含めている

「100円」「50kg」のようにセル内に単位を含めると、PADが数値データとして認識できず、計算や並び替えが正しく機能しなくなる。単位は別の列に分けて管理することが推奨される。

2-2. 日付が異なるフォーマットで入力されている

「2024/01/15」「01-15-2024」「15 Jan 2024」など異なるフォーマットが混在していると、PADの処理が不安定になる。日付の表記ルールを統一し、Excelの書式設定で日付型にすることが重要。

2-3. 桁区切りのカンマが直接入力されている

「10,000」のようにカンマを含めると、PADがテキストデータとして認識することがある。Excelの数値フォーマットで桁区切りを適用し、データ自体にはカンマを含めないようにする。

2-4. 全角・半角が混在している

「ABC」と「ABC」のように、全角と半角が混在すると、検索やフィルターの結果が不一致になることがある。特に、コードやIDは半角で統一し、統一ルールを適用することが望ましい。

2-5. カタカナ・ひらがなが混在している

「カタカナ」と「かたかな」が混在していると、データの検索や処理が困難になる。統一ルールを適用し、Excelの関数を活用して表記を統一することが重要。

2-6. セル内に余計なスペースが含まれている

「商品 A」「商品A」のように、不要なスペースが含まれていると、PADのデータ処理が不安定になる。スペースの有無を統一し、TRIM 関数を活用して余分なスペースを削除することが推奨される。

3. まとめ

Power Automate for desktop(PAD)を活用したExcel業務の自動化を成功させるには、データの表記を統一することが重要。数値に単位を含めない、日付フォーマットを統一する、全角・半角やカタカナ・ひらがなを統一することで、PADの処理精度が向上し、エラーを防ぐことができる。まずは現在のExcelデータの表記を見直し、PADによるスムーズな自動化を実現できる環境を整えましょう。