最終更新日:2020年10月31日
こんにちは。完全自動化研究所の小佐井です。
SikuliXをRPAとして使えるのかどうかを知りたい方へ解説します。
現在RPAを検討しているけど、SikuliXというツールがあることを知った。無料のようだし、これをRPAとして使うことができるのか知りたいと考えていませんか?
結論から言います。SikuliXはRPAとして使うことができます。その理由はのちほど挙げていきます。
ただし、SikuliXをRPAとして利用するにはメリットの半面、デメリットもあるので解説します。
- SikuliXはRPAとして使えるのか?結論使えます
- SikuliXをRPAとして使うときのメリット・デメリット
- 顧客企業において2016年からRPA内製化をサポートし実績を積み上げています。
- SikuliXを利用したRPAシステム構築の理論・構築・開発・運用を網羅した書籍『オープンソースで作る!RPAシステム開発入門』を出版しました。
- 2019年3月 中小企業のための失敗しないRPA導入研修を行いました。SikuliXを使ってRPAを説明しました。
- 2019年5月 リクルートスタッフィング登録者向けRPA超入門ハンズオンを行いました。SikuliXを使ってハンズオンを行いました。
それでは、どうぞ!
SikuliXはRPAとして使えるのか?【結論:条件付きで使えます】
そもそもRPAとはなにか
RPAとはPC自動化の技術を使って、業務効率化を図る取組です。
RPAを利用すると、既存のシステムを改修せずにデータをダウンロードしたり、入力したりすることができますので、少ない開発費で大幅な業務効率化が図れます。
詳しくは次の記事をお読みください。
「RPAツール」については次の記事をお読みください。
SikuliXは何ができるのか
SikuliXは人がPC上で行う作業と同じことができます。
マウス操作やキーボード操作などをソフトウェアにより自動化することができるためです。
具体的にはSikuliXの開発画面にてマウス操作やキーボード操作をプログラムします。このとき、何(アプリケーションやファイルなど)を操作するのかは、画像を使って登録します。
SikuliXはプログラムされた手順通りに操作する対象をディスプレー上から画像で検索して操作します。
詳しくは次の記事をお読みください。
SikuliXはRPAとして使えるのか
SikuliXはRPAとして使えます。
なぜなら、人がPC上で行う作業と同じことができるからです。ということは、PC自動化を行い業務効率化を図ることができます。
実際にSikuliX1.1.1でWebアプリケーションを操作するデモをご覧ください。
このように、システム改修せずにデータダウンロードやデータ入力ができるようになりますので、工数削減のメリットをたやすく得ることができます。
SikuliXをRPAとして使うときのメリット・デメリット
SikuliXをRPAとして使うときのメリットとデメリットを解説します。
メリット
SikuliXのメリットは「無料かつアプリケーションを選ばない」ということです。
オープンソースであるためライセンス費用がかかりません。一般的にRPAツールはロボット1台あたり数十万/年の費用がかかりますので、無料であるメリットは大きいです。
また、画像認識型のオートメーションツールであるため、ローカルアプリケーションでもWebアプリケーションでもファイルでも変わらず操作することができ、直観的で簡単です。
画像認識型でないRPAツールはアプリケーションの種類により取扱いの得意・不得意がありますので、これは大きなメリットだと言えます。
デメリット
画像認識型ですので、ディスプレーの解像度が変わっただけでも動作しなくなります。そのため、同じプログラムが他のPCでは動作しなくなるといったデメリットがあります。
また、Windowsアップデートがかかると、フォントが変わったり、なんらかの予期しない画面の変更がある場合があります。このようなケースでは再度、画像をキャプチャーしなおさなければならない事態も発生します。
画面要素認識のタイプについては次の記事をお読みください。
また、有償のRPAにはほぼ付いているレコーディング機能がなく、またプログラミングが必要であるため、プログラマーでなければ、いきなり取り組むのは難しいでしょう。
画像認識型なので変更に弱いというのがデメリットであり、規模が大きな業務自動化には向いていません。会社の中でPC3台以内の運用くらいが現実的です。
まとめ
SikuliXはRPAとして十分に機能します。
実際に僕は一部上場企業の本社内の業務自動化に3年間利用していました(2020年現在は規模が大きくなったので、有料のRPAに移行しました)。
SikuliXは小規模に始めてすぐに結果を得たい、そして協力してくれる技術者が確保できる企業に向いています。
僕の著書「オープンソースで作る!RPAシステム開発入門」では、SikuliXを利用して本格的なRPAシステムを構築し運用する方法について詳しく解説しています。