Power Automate for desktopで少し複雑なフローを作成するには、「変数」の知識が必要になってくるので基本を理解しておきましょう。最初は少し難しく感じるかもしれませんが、使っていくうちに理解できるようになりますから、安心してください。
変数の基本を理解しよう
変数とは
変数とはテキストや数値などのデータや値を一時的に格納する箱のようなものです。変数を使うことでフローの中で収集したデータや値を保持したり、保持しておいたデータや値を参照したりすることができます(図1)。
変数名を付けて管理する
変数には名前を付けて管理します。この名前を「変数名」といいます。図2を例にすると、「ShopName」が変数名です。変数[ShopName]に店舗の名前が格納されている、というふうに言います。
Power Automate for desktopでは変数名をパーセント文字(%)で囲む必要があります(図3)。このルールを覚えておきましょう。
[変数の設定]アクション
変数は[変数の設定]アクションを使って作成することができます(図4)。[変数]で変数名を指定し、[値]に変数に割り当てる値を指定します。
データ型を知っておこう
変数で保持・参照できるデータや値には数値、テキスト、日付、ファイル、フォルダーなど様々な形式があります。これらの形式のことを「データ型」と呼びます。今から解説するデータ型がすべてではありませんが、よく使用するものをチョイスしました。
テキスト型
テキスト(文字列)を格納するデータ型です(図5)。
数値型
数値を扱うデータ型です(図6)。
算術演算を行った結果を変数に格納することもできます(図7)。
Datetime型
日付や時間を扱うデータ型です。「月日年 時間」という形式で表現されています(図8)。
ブール値型
「True(真)」もしくは「False(偽)」のいずれかが格納されます(図9)。
リスト型
複数の値を1つの変数で管理できるデータ型です(図10)。表の中の1列を管理するイメージです。
格納されている値は、行番号を使用して取得できます。 「%変数名[行番号]%」と記述します。行番号は0番目から始まる点に注意してください。
もっと詳しく知りたい方は「リストの作成方法」をお読みください。
データテーブル型
複数の値を1つの変数で管理できるデータ型です(図11)。表全体を管理するイメージです。データテーブルには行と列が含まれています。
格納されている値は、行と列の番号を使用して取得できます。「%変数名[行番号][列番号]%」と記述します。例えば、「%NewVar[3][1]%」と指定すると、「D」というテキストが取得できます。行番号も列番号は0番目から始まる点に注意してください。
データテーブルについてはいろいろな記事を書いているのでお読みください。
・データテーブルの作成方法
・データテーブルに列を追加する方法
・データテーブルを結合する方法
・データテーブル列をリストに取得する方法
インスタンス型
[Excelの起動]アクションや[新しいMicrosoft Edgeを起動する]アクションなどで生成される変数に適用されるデータ型です(図12)。インスタンスとはExcelやブラウザーなどのアプリケーションが起動して、操作できる状態になっているものを指します。日本語では「実体」と訳されることが多いです。
インスタンス型の変数は、後のアクションで操作対象を指定するときに使います。例えば、2つExcelが起動していた場合、インスタンスを指定することで、どちらのExcelを操作するのか指定できます。
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